複素数で交流回路を解く問題集
コイルやコンデンサを含む交流回路では、抵抗値の代わりに複素インピーダンスを使います。 この記事では、なるべくアドミタンスなどの抽象的な言葉を使わず、 「複素抵抗を置く → 電流を求める → キルヒホッフの法則で足す・釣り合わせる」 という原始的な流れで問題を解いていきます。
最初に使う基本式
交流回路では、抵抗・コイル・コンデンサを次の複素インピーダンスに置き換えます。 その後は、直流回路と同じようにオームの法則とキルヒホッフの法則で処理できます。
単純な回路から複雑な回路へ
ここでは、素子の数が少ない問題から始めて、直列、並列、分圧、複合回路へ進みます。
抵抗だけの交流回路
問題
交流電源 \(10\mathrm{V}\) に、抵抗 \(100\Omega\) を接続した。流れる電流を求める。
解き方
答え
RL直列回路
問題
\(R=80\Omega\)、\(L=0.1\mathrm{H}\)、\(f=50\mathrm{Hz}\)、\(V=20\mathrm{V}\) のとき、回路電流を求める。
解き方
直列なので、複素抵抗をそのまま足す。
電流の大きさだけなら、分母の大きさを使う。
答え
RC直列回路
問題
\(R=100\Omega\)、\(C=100\mu\mathrm{F}\)、\(f=50\mathrm{Hz}\)、\(V=12\mathrm{V}\) のとき、回路電流を求める。
解き方
直列なので、複素抵抗を足す。
答え
RLC直列回路
問題
\(R=50\Omega\)、\(L=0.2\mathrm{H}\)、\(C=50\mu\mathrm{F}\)、\(f=60\mathrm{Hz}\)、\(V=24\mathrm{V}\) のとき、回路電流を求める。
解き方
直列なので全部足す。
答え
RL並列回路を枝電流で解く
問題
\(R=100\Omega\) と \(L=0.1\mathrm{H}\) が並列。\(f=50\mathrm{Hz}\)、V = \(10\mathrm{V}\) のとき、全電流を求める。
解き方
並列回路では、抵抗側にもコイル側にも同じ電圧 \(10\mathrm{V}\) がかかる。そこで枝ごとの電流を求める。
抵抗側の電流。
コイル側の電流。
キルヒホッフの電流則より、電源から流れる全電流は枝電流の和になる。
答え
RC分圧回路を直列電流から解く
問題
\(R=1\mathrm{k}\Omega\)、\(C=0.1\mu\mathrm{F}\) の直列回路に Vin = \(10\mathrm{V}\)、\(f=1\mathrm{kHz}\) を入力した。コンデンサ両端の \(V_{\mathrm{out}}\) を求める。
解き方
まず回路全体の電流を求める。その後、コンデンサにかかる電圧を求める。
出力はコンデンサ両端なので、
大きさだけなら次のように計算できる。
答え
直列と並列が混ざった複合回路
問題
\(R_1=50\Omega\) が直列にあり、その先で \(L=0.05\mathrm{H}\) の枝と、 R2 = \(100\Omega\)、\(C=50\mu\mathrm{F}\) の直列枝が並列になっている。 \(f=100\mathrm{Hz}\)、\(V_{\mathrm{in}}=15\mathrm{V}\) のとき、電源電流を求める。
解き方
並列部分の上側電圧を \(V_a\) と置く。まず各素子を複素抵抗に直す。
下側の枝は R2 と C の直列なので、
キルヒホッフの電流則より、R1 を流れる電流は、上枝電流と下枝電流の和になる。
つまり、
また、キルヒホッフの電圧則より、電源電圧は R1 の電圧降下と \(V_a\) の和になる。
これに I の式を代入する。
この複素方程式を解くと、概ね
したがって電源電流は、

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